佐久間デンタルクリニック

歯周病と認知症の関係編

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佐久間歯科新聞

歯周病認知症関係

老人と歯周病菌

歯周病は、日本人が歯を失う原因第一位であり、「世界で最も感染者数の多い病気」としてギネスにも認定されています。しかし、歯周病の脅威はお口の中だけに留まりません。脳梗塞や糖尿業などの全身疾患の発症リスクを高めることがわかっています。近年では、歯周病が認知症を悪化させる仕組みも分かってきました。
お口の健康はもちろん、全身の健康維持、健康寿命延伸のために、歯周病予防をしっかり行っていくことが大切です。

歯周病菌が認知症の発症
・悪化リスクを高めます

歯周病菌が認知症を引き起こすメカニズム

認知症には複数の種類がありますが、その中でも患者数が最も多い「アルツハイマー型認知症」は、アミロイドβというたんぱく質が脳内に蓄積することで発症します。アミロイドβは、健康な人の脳にも存在しますが、短期間で排出されます。しかし、何らかの理由で排出されずに蓄積すると、脳細胞が壊されて、脳の機能が低下してしまうのです。

アミロイドβが蓄積する原因は完全に解明されていませんが、九州大学らが行ったマウスを使った研究で、歯周病菌がアミロイドβの産出・蓄積を促進させるメカニズムが明らかになりました。認知症を防ぐために、徹底した歯周病予防が大切です。

特に中年以降は歯周病に要注意!

口元

先に紹介した九州大学らの研究結果で、興味深いことが分かっています。若いマウスと中年マウスの両方に、歯周病菌の1種であるジンジバリス菌を全身に慢性投与したところ、アミロイドβが蓄積したり認知症のような症状が発症したりしたのは、中年マウスのみでした。

日本の成人の約8割が歯周病に罹患していると言われています。特に、45歳以上の半数以上が歯周病であるという調査結果が、2016年に出ています。 認知症は20年以上の長い期間をかけて発症に至る病です。早めはやめの歯周病予防が、認知症予防にもつながります。

認知症は要介護になる
原因2位です

歯のイラスト

認知症は、脳卒中に次いで介護が必要になった主な原因の第2位です。歯周病菌の働きでアミロイドβが蓄積することだけでなく、歯が抜けて噛めなくなることも、認知症のリスクを高める原因となります。歯周病と認知症を併せて予防することは、健康寿命を延ばすことにもつながるのです。痛みや出血、違和感が起きてから受診するのではなく、予防のための歯科受診が大切です。

健康寿命を延ばすために
定期的に受診を

歯を磨く男性

歯周病は自覚できる初期症状がないため、受診した頃には重症化しているケースも多いです。症状が出てから受診するのではなく、発症を防ぎ、早期発見につなげるため、定期的な受診をおすすめします。

当院では、特定非営利活動法人 日本臨床歯周病学会認定医である院長が中心となり、一人ひとりの患者様に合った歯周病予防・治療をご提供しています。お気軽にご相談ください。

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